その他のマーキの模型コレクション






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マーキの模型ギャラリー

 コレクション3 「航空母艦 翔鶴」   20120227
軍艦 翔鶴(しょうかく)は旧日本海軍の翔鶴型航空母艦の1番艦。同型艦は瑞鶴。初めて球状艦首(バルバス・バウ)を採用し機関出力は16万馬力で最大速力34kt の高速でした。当時の航空母艦にはカタパルトが無かったので風上に向かって全速で航行、航空機が飛び立つのに浮力が得られる合成速度を得る必要があったのです。翔鶴は、世界に先駆けて航空母艦という艦種を創り上げた日本海軍のノウハウを注ぎ込んで完成させ、同型艦瑞鶴と2隻の完成を待って真珠湾攻撃が行われたと言われています。空母「飛龍」では問題があった左舷側の艦橋を「蒼龍」型の右舷前方にし、煙突を側方に向け、起倒式アンテナと現代の米原子力空母にも繋がる先進の設計でした。大戦中被弾と修理を繰り返しながらも活躍、敗色の濃い1944年6月、マリアナ沖海戦で米潜水艦の魚雷を受け1,272名の戦死者を伴い艦は沈没。日本は空母機動部隊として洋上作戦運用できる能力を失い、後残る手段は所謂神風という陸上基地からの自爆攻撃しか無くなりました。翔鶴の就役で日本海軍航空機動部隊は世界に先駆けて完成し、翔鶴の喪失でその機動部隊は崩壊、日本の敗戦が決まったと言える象徴的な船でした。
満載排水量 32,105トン  全長 257.5m  吃水線幅 26.0m (飛行甲板242.2m長x29.0m幅) 
主機関  ロ号艦本式缶8缶 艦本式タービン4基4軸 160,000馬力 速力 34ノット 乗員数 1,660名
搭載機 零式艦上戦闘機 18 九九式艦上爆撃機 27 九七式艦上攻撃機 27 合計72機 (補用12機)
航空母艦「翔鶴」 フジミ模型 1/700ウォータラインシリーズ 「 1944 マリアナ沖海戦仕様」

マーキ本人のコメントはグレーで表現しています。ページ作成のタッキーも航空母艦の模型が特に好きで何隻も作ったから判りますが、三段甲板でずんぐりとした戦艦改造空母「赤城」を作った後、二段甲板の生粋の「翔鶴」「瑞鶴」を作ると、翔鶴のすとんとほっそりというか四角いというか飾りっ気の無い蒲鉾のような艦型が印象的です。多分マーキもその辺は意識してると思うんだが、でもこの遮風板を立て佇んでいるこの1/700翔鶴を見ていると無駄のない完成した「兵器」の凄みが伝わって来ます。装甲板のリベット一つ、艦橋に絡む電線やアンテナ、武器の塗装の落ち着きや汚れ、水兵達が磨き込んだ事だろう木製飛行甲板の色合いや艶も忠実に再現されています。手摺りや落下防止ネットまで作り込んでいるのが凄い。製作仕様についてはマーキは「 1944 マリアナ沖海戦仕様」としています。この海戦にて残念ながら翔鶴は米沈没しています。姉妹艦の「瑞鶴(ずいかく)」に比べ資料が少なく取りあえず、自分なりに解釈し作成しております。何時になったら完成する事やら(本人談)」・・・サグラダ・ファミリアみたいで格好いいわさ。

航空母艦の模型を作るならまず模型好きが見るのは艦載機なのだと信じます。1/700スケールだと零戦も全長13.94mmしかありません。でもマーキの妥協の無さ!零戦二一型でしょうか、操縦席の「若草色」塗装まで再現され、しかも水滴型風防も塗り分けています。九九艦爆の頑丈そうな固定脚も見事な物。この1/700艦載機だけでも普通はなかなか作れないぜ。
20120215  携帯電話撮影で申し訳有りません。なんとか艦載機は完成しました。船体を投錨しての停泊情景とするため、錨を片側外して鎖に交換その他、乗船用ラッタルを取付け、内火艇とカッターを配置する予定です。完成までもう少しお待ち下さい。
九七艦攻は主翼の折り畳み状態、零戦は翼端を折り畳み、エレベーターは動作中等どこを見ても1/350でもこうは行かない出来映えです。「停泊情景」として完成させるとのこと、吹き流しは寝るかも知れないが訓練中の翔鶴に新艦長が赴任してきた、というような情景もいいね。間もなく完成でしょう、その時は被写界深度の浅いレンズで撮影したいものです。
ここで海軍零式艦上戦闘機についての御説明。左は日本一有名な戦場カメラマンと言われた吉田一の撮影で零戦の美しさを余すこと無く伝える零戦の勇姿です。現在の三菱重工業の堀越二郎が脳髄を絞るような努力で作り上げた傑作戦闘機。空気抵抗を減らす沈頭鋲、軽く強い超ジュラルミン、定速式可変ピッチプロペラ、尾輪も含めた引込脚、流線型落下増加タンク、水滴式風防、無線帰投方位測定装置、7.7と20ミリ機関銃等を装備し防弾・消火構造こそ無かったものの、長大な航続力、機動性、打撃力で開戦時無敵の強さを誇りました。敗戦の苦い経験の中にも「零戦燃ゆ」・・零戦は今でも日本人の心にノスタルジーとプライドを与えてくれている気がします。
しかし零戦のあまりに傑出した旋回性能の為、「航続距離・旋回性能と防弾や重武装・高速化」をという無い物ねだりの矛盾する要求が続く事になり、小型x2000馬力級のエンジン不調もあって海軍の「次の戦闘機」の投入が遅れ、連合国の高速・一撃離脱を方針とする新型戦闘機に敵せず、最後はF1にトラクターを引かせるように、哀れ零戦は250kg爆弾を積み神風攻撃に使用されつつ敗戦を迎えました。その点陸軍は一式戦「隼」、二式戦「鍾馗」、三式戦「飛燕」、そして最優秀戦闘機と言われた四式戦「疾風」そして五式戦と続々と新型戦闘機を投入したのと対象的でした。戦闘機はその国の科学技術や国力の結晶なのだと強く思います。優秀な戦闘機を作ろうという気構えは常に持たねばなりません。

マーキはその美しい零戦を1/700という極小スケールで作ろうとしています。しかも風防(キャノピー)のフレームを塗り分け、かつ風防を切り開いて開いた状態のバージョンを作る。上の中央の画像右下に「ゴミ」みたいに転がっているは開口時の風防です。計算上1.42oしか無いはずだ。これに「田の字」みたいにフレームを書き込むというのは0.2oくらいの線になる!模型をやった者にしか判らんだろうが、ちゃんと機体にモールド線も書き込んでるし、操縦席の座席まで作り込んでいます。翔鶴の搭載機数は18機だったけど、マーキはこれを何機作るのだろうか?もう殆ど模型の「無間地獄」みたい。
(左)九七式艦上攻撃機。中島飛行機(スバルで有名な現在の富士重工)が製造した攻撃機。(三菱による九七式もありましたが)普通の人は日本軍の飛行機というと零戦位しか知らない人は多いと思うのね。でも機関銃くらいしか載せていない戦闘機だけでは戦に勝てません。敵が艦船の場合は魚雷を、陸上拠点の場合は爆弾を持っていてそれに当てて初めて戦果が得られるのです。艦上攻撃機は大きな主翼に800kgもある魚雷等と積んで戦闘機に守られながら、敵の対空砲をかいくぐって至近距離まで近づき引き金を引き、一番危険な腹を敵に見せながら離脱するという非常な勇気の要る仕事を行う猛者達でした。(右)翔鶴は九九式艦上爆撃機も載せていました。爆弾は急降下爆撃をしないと全然当たらないのです。急降下爆撃のショックで脚が出てしまうこともあるので九九艦爆が作られた時代の技術力では主脚は頑丈に固定されたままでした。後席には機銃座が設けられており爆弾が重くて宙返り出来ない艦爆を敵戦闘機から守っていました。同じ航空機で魚雷も爆弾も使えるといいな、という誰しも考える発想(といっても簡単じゃないが)は数年後愛知時計製「流星改」で実現しますが、その時は既に空母は無く敗戦も目前で間に合いませんでした。要するに日本軍は昭和16年当時の機材で太平洋戦争を戦おうとして、喪失する程に戦力が無くなり、新規開発どころか補給もままならなかったのが実情で、戦時中も毎週一隻のペースで航空母艦を進水させた米国に勝つわけは無かったのです。

ともあれマーキは翔鶴に搭載する攻撃機や爆撃機も忠実に再現しようとしています。普通に組んでも凄い小さなサイズなんだが、九七艦攻の長い主翼を折り畳み、エンジン点検作業時のバージョンも作るといいます。勿論風防を開いた状態にしているし、ピトー管もつけていると。(画像じゃよくわかりませんが、ピトー管は航空機の速度を測る温度計で銃口みたいに進行方向に突き出した棒です)。そこまでやるか、やってくれるのか、マーキ!

製造中の艦載機を概ね完成している航空母艦「翔鶴」に置いたところ。起倒式アンテナが倒れていてくれるとよりリアルなのですが、なかなか良い感じです。その向こうにあるのはマーキ入魂の一作の秘蔵版戦艦「大和」です。日本海軍は「決戦の主力が戦艦で航空機動部隊は戦艦を守るもの」という発想だったはずで、空母が戦艦を「追い抜きながら」航走する場面は実際には無かったと思いますし、ホントは「戦艦が前に進出して空母を守る」のが正しかったはずだと思うんだよね。さて吹き流しを水平になるまで引っ張る程の全速で翔鶴はドオオオッと真っ直ぐ風上に進み攻撃隊の出撃体勢は整いました。長官の乗る旗艦「「大和」」からの出撃命令を待っている・・という緊迫した場面でしょうか。 尚、大和と翔鶴は殆ど同じ長さの船で、翔鶴のほうが約半分程度の重さで逆エンジンは強力で優速だったのでこういうシーンがあったとしても大和が併走できたのは極短時間だったでしょう。翔鶴の右舷側に突き出た煙突が煤塵に汚れて粉っぽく真っ黒なのがさすがはマーキです。

九七式艦攻と零式戦のクローズアップ。これらは全長役10o程度の大きさなのです。車輪と尾輪もすごいね。九七戦の風防のフレームの細かさ。零式に至っては風防開の状態です。1/72でも日の丸のデカールを貼るのって結構難しいんだよ。
艦載機については、それなりに手を入れて製作しています( あまりいい出来では有りませんが・・・ )。 一応プロペラも回る様にしています。零戦二一型、見えにくいでしょうが、キャノピー(風防)を開にしています。
1/700のスケールで艦載機もここまで作るとはすごい。でもこの画像をあえて600x400ピクセルサイズにしたのは甲板の出来映えを見て欲しいからです。翔鶴は残念ながら軽く復元性を優先し飛行甲板に装甲はありませんでした。だから甲板は恐らくチーク材か台湾ヒノキが使われていたと思いますが、この1/700翔鶴の飛行甲板の木材の表現いかがですか。一枚ずつ塗り分けられ太平洋の太陽に曝された油分の多い木材が乾燥し、それを乗組員がワックスで磨いている感じがよくわかります。そっくりな姉妹艦の瑞鶴と間違わないよう翔鶴には「シ」と書かれていました。(瑞鶴は「ス」)画像がもう少し左にパンすると水蒸気を吹き出し正確に風上を知るゲージが描かれているのがよくわかるはずです。
スーパーマクロで撮影しましたが、艦載機が余にも小さすぎて、ピントが合いにくくて見にくいでしょうが、御覧下さい。
同じ1/700のスケールのマーキの戦艦「大和」と並べて俯瞰。大和の神秘的と言える美しさ、重厚感は素晴らしく世界最大の戦艦がキャッチフレーズでしたが空母「翔鶴」も決して小さくはありませんね。大和の半分以下の重量に大和より強力なエンジンを積み時速34ノット(約63km/m)で突っ走る韋駄天。敵の位置さえ分かれば大和の主砲より10倍も20倍も遠い目標に航空機動部隊を送り込んで数段有効な打撃を加えることが出来たのです。大和も敵航空母艦から飛来した敵機に敢えない最後を遂げました。そう思うとこの航空母艦という艦種は非常に機能的で美しいものです。

マーキの新作情報!

重巡洋艦「高雄」(たかお)を建造中。
排水量 13,400トン(改装後)
全長 203.76m
全幅 20.73m
機関 タービン4基4軸 130,000馬力
速力 34ノット(改装後)
武装 50口径20.3cm連装砲5基10門
    89式12.7cm連装高角砲4基8門
    25mm連装機銃4基 3mm連装機銃2基
    92式61cm4連装魚雷発射管4基 
右の画像下から航空母艦「翔鶴」、戦艦「大和」そして一番上が重巡洋艦「高雄」です。